バンコクからチェンマイへの移動で風情ある旅を楽しめるバンコク・チェンマイ寝台列車は、多くの旅行者に人気です。しかし、いざ予約しようとすると、料金や必要な時間、どの列車が良いのかなど、疑問も多いのではないでしょうか。特に、予約方法や時刻表の確認、快適な1等や2等の違い、個室や食堂車、シャワーの有無といった具体的な設備は事前に知っておきたいポイントです。この記事では、新型車両を中心に、寝台列車の予約から乗車までの全てを分かりやすく解説します。
- 寝台列車の種類と等級ごとの料金
- オンラインでの予約方法と注意点
- 車内の設備(個室・食堂車・シャワー)
- 快適な座席選びのコツ
バンコク発チェンマイ寝台列車の基本情報

- チケットの予約方法と注意点
- 新型車両と等級による料金の違い
- バンコク出発の列車時刻表
- チェンマイ到着までにかかる時間
- 快適な旅なら新型車両がおすすめ
チケットの予約方法と注意点
バンコクからチェンマイへの寝台列車チケットを確保する方法は、主に2つあります。最も確実で便利なのは、タイ国鉄の公式サイト「D-Ticket」を利用したオンライン予約です。サイトは英語に対応しており、出発日の90日前から予約が可能となります。クレジットカード決済にも対応しているため、日本にいながらでも手配が完了します。
もう一つの方法は、クルンテープ・アピワット中央駅の窓口で直接購入することです。しかし、人気の路線であるため、当日券の入手は非常に困難です。特に、快適な新型車両や下段ベッドはすぐに埋まってしまいます。
予約は早めが鉄則
特に人気の特急9号列車(新型車両)は、予約開始直後(90日前)に満席になることも珍しくありません。旅行の日程が決まったら、できるだけ早く予約手続きを済ませることを強くおすすめします。
オンラインで予約した場合、登録したメールアドレスにEチケット(PDF形式)が送られてきます。乗車当日は、そのEチケットを印刷するか、スマートフォンで表示できるように準備しておきましょう。
新型車両と等級による料金の違い
寝台列車の料金は、列車の種類(新型か旧型か)と座席の等級(1等か2等か)、そしてベッドの位置(上段か下段か)によって異なります。最も人気があるのは、清潔で設備が整っているCNR社製の新型車両(特急9号・10号)です。
以下に、新型車両を利用した場合の料金目安をまとめました。
| 等級 | ベッドタイプ | 料金目安(片道) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1等寝台 | 個室(2人用) | 約1,900~2,100 THB / 1人 | プライベート個室、洗面台付き、シャワー室(共用)あり。 |
| 2等寝台 | 下段(Lower) | 約1,200~1,400 THB | 窓があり景色を楽しめる。ベッド幅が広く、乗り降りが楽。 |
| 上段(Upper) | 約1,000~1,200 THB | 下段より料金が安い。窓はない。 |
上記の料金はあくまで目安です。タイ国鉄の公式サイトで最新の正確な料金を確認してください。1等寝台の個室を1人で利用する場合は、追加料金が必要となります。
バンコク出発の列車時刻表
バンコクのクルンテープ・アピワット中央駅(旧バンスー中央駅)からチェンマイへ向かう寝台列車は、1日に数本運行されています。中でも旅行者に人気なのは、夕方から夜にかけて出発し、翌朝にチェンマイに到着する便です。
主要な寝台列車の出発時刻
- 特急9号(Special Express 9):18:40発 → 翌07:15着
最も人気のある新型車両。設備が綺麗で快適です。 - 特急13号(Special Express 13):20:05発 → 翌08:40着
旧型の車両ですが、時間帯の良さから人気があります。 - 急行51号(Express 51):22:30発 → 翌12:10着
旧型の車両で、チェンマイへの到着が昼過ぎになります。
タイの列車は遅延することも珍しくないため、スケジュールには余裕を持たせておくと安心です。駅には出発時刻の30分~1時間前には到着しておくことをおすすめします。駅構内にはフードコートや売店もあるので、乗車前に食事や買い物を済ませておくと良いでしょう。
チェンマイ到着までにかかる時間
バンコクからチェンマイまでの寝台列車の所要時間は、約13時間から14時間です。例えば、18:40にバンコクを出発する特急9号は、翌朝の7:15にチェンマイに到着するスケジュールとなっています。
飛行機であれば約1時間強で移動できる距離ですが、寝台列車には独自の魅力があります。夜間に移動することで、宿泊費を1泊分節約できるという大きなメリットがあります。また、列車に揺られながらゆっくりと移り変わる車窓の景色を眺める時間は、旅の素晴らしい思い出になるでしょう。時間を有効活用しつつ、旅情を味わいたい方に最適な移動手段と言えます。
快適な旅なら新型車両がおすすめ
バンコクとチェンマイを結ぶ寝台列車には、旧型と新型の2種類の車両が存在します。もし快適な列車の旅を望むのであれば、迷わず新型車両(CNR車両)で運行される特急9号を選びましょう。
新型車両は2016年に導入されたもので、旧型に比べてあらゆる面で優れています。清潔感のある内装はもちろんのこと、設備面でのメリットが非常に大きいです。
新型車両の主なメリット
- 清潔な車内とベッド:シーツや枕も清潔で、快適に眠ることができます。
- 電源コンセントの完備:各ベッドにコンセントが設置されており、スマートフォンの充電に困りません。
- 最新の設備:揺れが少なく静かで、トイレも水洗式の綺麗なものが設置されています。
- Wi-Fiサービス:電波の状況によりますが、車内でWi-Fiが利用可能です。
旧型車両にも旅の趣はありますが、設備の古さは否めません。特にコンセントがない点は、現代の旅行者にとっては大きなデメリットとなる可能性があります。料金の差はそれほど大きくないため、予約が取れるのであれば新型車両が断然おすすめです。
バンコク・チェンマイ寝台列車の車内設備
- プライベート空間が魅力の1等寝台
- 最もポピュラーな2等寝台
- 2名利用に最適な個室の紹介
- 食堂車で楽しめる食事メニュー
- 気になるシャワー設備の有無
プライベート空間が魅力の1等寝台
プライバシーを重視するなら、1等寝台(First Class Sleeper)が最適な選択肢です。1等寝台は、完全に独立した2人用の個室となっており、静かで落ち着いた時間を過ごせます。鍵付きの扉でセキュリティ面も安心です。
個室内部には、向かい合わせの座席があり、夜になるとスタッフが二段ベッドに転換してくれます。各個室には小さな洗面台も設置されており、身支度に便利です。また、車両の端には1等乗客専用のシャワールームも完備されています。料金は2等に比べて高くなりますが、その価値は十分にあるでしょう。カップルや家族での利用に特におすすめです。個室を一人で利用することも可能ですが、その場合は割高の料金設定となります。
最もポピュラーな2等寝台
2等寝台(Second Class Sleeper)は、料金と快適性のバランスが取れており、多くのバックパッカーや個人旅行者に利用されている最もポピュラーなクラスです。車両は通路を挟んで両側に寝台が並ぶ開放的なレイアウトになっています。
座席は日中は向かい合わせのボックスシートですが、夜になるとスタッフが手際よく二段ベッドにセッティングしてくれます。各ベッドはカーテンで仕切ることができるため、ある程度のプライベート空間は確保可能です。
2等寝台を予約するなら、絶対に下段ベッドがおすすめです!窓から外の景色を楽しめるだけでなく、ベッドの幅が上段より少し広く、天井も高いため開放感があります。料金は少しだけ高くなりますが、快適さが全く違いますよ。
上段ベッドは窓がなく、やや窮屈に感じるかもしれません。しかし、料金を少しでも抑えたい場合には良い選択肢となります。貴重品の管理は自己責任となるため、ウエストポーチなどに入れて肌身離さず持っておくと安心です。
2名利用に最適な個室の紹介
前述の通り、プライベートな空間を確保したい2人旅には、1等寝台の個室が最適です。日中は快適なソファ席として利用でき、窓の外の景色を楽しみながらリラックスした時間を過ごせます。
夜になると、このソファが二段ベッドへと変わります。個室の扉を閉めれば、完全に2人だけの空間となり、周囲の目を気にすることなく過ごせるのが最大の魅力です。通路を人が行き来する音もほとんど気にならず、静かな環境で休むことができます。新婚旅行や特別な記念日の旅行などで、少し贅沢な列車旅を楽しみたい場合にぴったりの選択肢と言えるでしょう。
食堂車で楽しめる食事メニュー
寝台列車での旅の楽しみの一つが食堂車(Dining Car)です。新型車両には清潔で明るい食堂車が連結されており、温かい食事や飲み物を楽しむことができます。メニューはタイ料理が中心で、お弁当形式で提供されることが多く、料金は190〜210バーツ程度です。
食堂車へ行かなくても、スタッフが座席まで注文を取りに来てくれ、出来上がると届けてくれるサービスもあります。ただし、味や価格を考慮すると、乗車前に駅のフードコートで食事を済ませたり、好きな食べ物や飲み物を持ち込んだりする乗客も多いです。朝方にはコーヒーや軽食の車内販売もあります。
車内での飲酒は禁止
タイの列車内では、アルコールの飲酒は法律で固く禁止されています。持ち込みも原則として認められていないため、注意してください。発覚した場合は罰金の対象となります。
気になるシャワー設備の有無
長時間の移動となるため、車内にシャワーがあるかどうかは気になるポイントです。結論から言うと、新型車両にはシャワー設備があります。
1等寝台の乗客は、各車両に設置された専用のシャワールームを利用できます。一方、2等寝台の乗客も、各車両の端にある共用のシャワールームが利用可能です。ただし、お湯が出ない場合や水圧が弱いこともあり、日本のホテルのような快適さを期待するのは難しいかもしれません。
シャワーはありますが、タオルやアメニティ類は備え付けられていません。利用する場合は、タオル、シャンプー、石鹸などを自分で用意する必要があります。汗を流してさっぱりしたい場合には便利ですが、あくまで簡易的な設備と捉えておくと良いでしょう。
バンコク・チェンマイ寝台列車のまとめ
- バンコクからチェンマイへの移動時間は約13時間から14時間
- 夜行列車を利用すれば宿泊費を1泊分節約できる
- チケット予約はタイ国鉄公式サイト「D-Ticket」が便利
- 人気の特急9号(新型車両)は90日前の予約が必須
- 出発駅はクルンテープ・アピワット中央駅
- 快適性を求めるなら断然、新型車両がおすすめ
- 新型車両には各座席に電源コンセントが完備されている
- プライバシー重視なら1等寝台の個室が最適
- 料金と快適性のバランスが良いのは2等寝台
- 2等寝台を予約するなら窓のある下段ベッドを選ぶべき
- 食堂車が連結されており車内で食事が可能
- 食事や飲み物は持ち込みもできる
- 車内でのアルコール飲酒は法律で禁止されている
- 新型車両にはシャワールームが設置されている
- シャワー利用時はタオルやアメニティの持参が必要

