こんにちは!ポジオのタイ駐在日記、運営者の「ポジオ」です。
タイの街中を歩いていると屋台やカフェでよく見かけるあの鮮やかなオレンジ色の飲み物が気になったことはありませんか。初めて見たときはその独特な色合いに驚きつつも実際に飲んでみるとバニラのような甘い香りと濃厚な味わいに魅了されたという方も多いはずです。しかし一方でこれほど鮮やかなオレンジ色は体に悪い着色料が使われているからではないかと成分や安全性が心配になることもあるかもしれません。タイでの生活が長くなるにつれ、私自身もこの不思議な飲み物の虜になり、一体なぜこれほどまでに色が濃いのか、そしてその甘さの秘密はどこにあるのかを徹底的に調べるようになりました。この記事ではタイティーがなぜあのような色をしているのかという疑問に対し歴史的な背景や含まれるスパイスなどの原材料そして自宅で楽しむためのチャトラムーなどの茶葉に関する情報まで詳しく掘り下げていきます。現地の事情を知ることで、次の一杯がもっと美味しく、そして安心して楽しめるようになるはずですよ。
- タイティーの鮮やかなオレンジ色は主に着色料による演出
- 独特な香りと風味を生み出すスパイスや成分の秘密
- 着色料の安全性や健康への影響に関する基礎知識
- 自宅で現地の味を再現するための茶葉選びと作り方
タイティーがオレンジ色なのはなぜ?その理由と成分
タイティーといえば、あの独特な「オレンジ色」がトレードマークですが、実はあの色は茶葉本来の色だけで作られたものではありません。初めて見た旅行者が「絵の具のような色だ」と驚くのも無理はありませんが、この色には明確な理由と、それを構成する成分が存在します。ここでは、多くの人が疑問に思う色の正体や、風味を決定づける成分について、私自身がタイで実際に飲んで調べた情報をもとに解説します。
オレンジ色の正体は着色料
結論から申し上げますと、タイティーのあの目が覚めるような鮮やかなオレンジ色は、主に食品添加物である着色料(食用色素)によるものです。これはタイの紅茶文化において、ある種の「常識」として定着しています。具体的には、茶葉を焙煎し加工する段階で、「FD&C Yellow No. 6(サンセットイエロー)」などの黄色や赤色の食用色素が添加されていることが一般的です。
通常、紅茶は熱湯で抽出すると濃い赤褐色になります。しかし、タイティー用の茶葉(特に有名なチャトラムーブランドなど)を使ってお湯を注ぐと、その瞬間から茶色というよりは「深い橙色」の液体が抽出されるのが分かります。これがさらに、練乳やエバポレートミルクといった乳白色の成分と混ざり合うことで、私たちがよく知る「パステルカラーのような明るいオレンジ色」へと劇的に変化するのです。
なぜこれほどまでに強い着色が施されているのかについては諸説ありますが、最も有力なのは「他との差別化」と「食欲増進」の視覚効果です。タイの街中にはコーヒーや通常の紅茶、ハーブティーなど多種多様な飲み物が溢れています。その中で、一目で「あ、タイティーだ!」と認識してもらうためのブランディングのような役割を果たしてきたと言えます。また、暑いタイでは氷を大量に入れたグラスに注いで飲むのが基本ですが、氷が溶けて味が薄まっても、見た目の色が濃いことで「濃厚さ」を感じさせる視覚的なマジックも意図されているのかもですね。
含まれる成分やスパイスの種類
色が着色料によるものだとしても、タイティーが持つあの独特の風味や香りは、まぎれもなく本物のスパイスや茶葉のブレンドによって生み出されています。単なる「甘い紅茶」では片付けられない、複雑で奥深い味わいの秘密は、そのブレンド技術にあります。
タイティーの茶葉は、アッサム種などの力強い味わいの紅茶をベースにしていますが、そこに様々な香辛料が加えられているのが最大の特徴です。代表的なものとして、スターアニス(八角)が挙げられます。八角特有の甘くスパイシーな香りは、タイティーを飲んだ時の鼻に抜けるエキゾチックな風味の核となっています。さらに、クローブ(丁子)やシナモン、カルダモンといった、チャイにも通じるスパイスが微量に含まれていることもあり、これらが複雑に絡み合うことで、砂糖や練乳の強烈な甘さに負けない「お茶の存在感」を主張しているのです。
また、オレンジブロッサムウォーター(オレンジの花の蒸留水)のようなフレーバーが添加されているケースもあり、これが柑橘系の爽やかな余韻をわずかに残します。これらの成分は、タイ料理特有の辛味や酸味、ハーブの香りが強い食事と一緒に飲んだ時にも、口の中をリフレッシュさせつつ、負けない個性を発揮するために考え抜かれた組み合わせなのかもしれません。
チャトラムー缶の茶葉について
タイティーを語る上で絶対に外せないのが、親指を立てた「いいね!」のようなマークで世界的に有名な老舗ブランド、「Cha Tra Mue(チャトラムー)」です。1945年に創業されたこのブランドは、タイティーを現在のスタイルで普及させた立役者とも言える存在で、タイ国内の屋台やカフェで使われている茶葉の多くがこのブランドのものです。
特に「赤缶(または赤袋)」と呼ばれる商品は、クラシックなタイティースタイルを作るための標準的なブレンドです。この茶葉の最大の特徴は、開封した瞬間に立ち上る強烈なバニラの香りと、茶葉自体にまぶされたオレンジ色の粉末です。茶葉をよく観察すると、黒っぽい茶葉の周りに細かいオレンジ色の粒子が付着しているのが分かります。これがお湯に溶け出すことで、誰でも簡単にプロのような色が出せる仕組みになっています。
チャトラムーには他にも、緑茶ベースの「緑缶(グリーンティー)」や、より高級な茶葉を使用した「ゴールド缶」などがあります。ゴールド缶は赤缶に比べて着色が控えめで、茶葉本来の香りを重視した配合になっているため、「色は楽しみたいけれど、着色料は少し控えめがいい」という健康志向の方や、より上品な味を求める層に支持されています。お土産として購入する際は、用途に合わせて缶の色を選ぶのがポイントですね。
チャトラムー缶の選び方
- 赤缶:最もポピュラー。濃厚な甘さと鮮やかなオレンジ色を楽しみたいならコレ。
- ゴールド缶:プレミアム版。香りが豊かで着色が少し控えめ。上品な味わい。
- 緑缶:タイ風グリーンミルクティー用。ジャスミンの香りが強いのが特徴。
バニラの香りと色の関係
タイティーを飲んだ瞬間に口いっぱいに広がる甘い香り、その正体は主に「バニラフレーバー」です。実は、タイティーの色(視覚)と香り(嗅覚)には密接な関係があり、これらが相互に作用して私たちの味覚体験を作り上げています。
色は鮮やかなオレンジですが、香りはまるでキャラメルや焼き菓子を連想させる濃厚なバニラ香です。人間は、バニラのような甘い香りを嗅ぐと、実際には糖分が含まれていなくても脳が「甘い」と錯覚したり、甘みをより強く感じたりする傾向があります。タイティーの場合、実際に砂糖や練乳がたっぷり入っているため、このバニラの香りがその甘さをさらにブーストさせ、「飲むスイーツ」のような満足感を与えてくれるのです。
また、この強いバニラの香りと鮮やかなオレンジ色の組み合わせは、タイの暑い気候の中でリラックス効果を高める役割も果たしていると考えられます。強烈な日差しで疲れた体に、視覚的なエネルギー(オレンジ色)と、精神を落ち着かせる甘い香り(バニラ)が同時に届くことで、単なる水分補給以上の癒しを提供してくれるわけですね。もしこの香りがなければ、ただの「甘くて赤いお茶」になってしまい、ここまでの世界的ヒットにはならなかったかもしれません。
タマリンドなど原材料の影響
一部の伝統的なレシピやこだわりのあるブレンドでは、「タマリンド」の種を砕いたものや、その成分が隠し味として使われることがあります。タマリンドはタイ料理には欠かせないマメ科のフルーツで、独特の酸味とコクを持っています。
タマリンドがお茶に使われる場合、その役割は「酸味を加える」というよりも、「味に深みと厚みを出す」ことにあるようです。コーヒーでいうところのボディ感を強めるようなイメージでしょうか。また、タマリンドの種自体も焙煎すると香ばしい香りを放つため、これが紅茶の渋みと融合して、より複雑なフレーバーを形成します。
ただし、よく誤解される点として、「タマリンドが入っているからオレンジ色になる」という説がありますが、これは正確ではありません。タマリンド自体は茶褐色や黒っぽい色をしており、あの蛍光色に近いオレンジ色を作り出すほどの色素は持っていません。あくまで、風味の奥行きを出したり、紅茶本来の赤褐色をより濃くしたりする「縁の下の力持ち」的な役割に留まります。やはり、色の決定的な要因は着色料であり、タマリンドなどの原材料は味の骨格を作るために存在していると考えるのが自然でしょう。
タイティーがオレンジ色なのはなぜ?安全性と歴史
「着色料が入っている」と聞くと、やはり健康への影響や、なぜそんな歴史になったのかが気になりますよね。特に日本人は無着色や自然由来を好む傾向があるため、あの色に抵抗感を持つ方もいるかもしれません。ここでは、安全性に関する客観的な考え方や、タイの文化背景についてさらに深掘りしていきます。
着色料は体に悪いのかを解説
タイティーに使用されている着色料(主にサンセットイエローFCFなど)について、健康への懸念を抱くのは当然のことです。しかし、これらの添加物はタイ国内の食品安全基準(FDA Thailand)をクリアしているだけでなく、日本やアメリカ、EUなど世界中の多くの国で食品添加物として認可され、広く使用されているものです。
例えば、清涼飲料水やキャンディー、スナック菓子など、私たちの身近な食品にも同様の色素が使われているケースは多々あります。食品添加物には「一日摂取許容量(ADI)」という基準が設けられており、これは「人間が一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康に悪影響が出ないと考えられる量」のことです。たまに旅行で飲んだり、日常的に1〜2杯楽しんだりする程度であれば、摂取量は許容範囲内に収まるため、直ちに健康被害が出るものではないと一般的には考えられています。
もちろん、合成着色料に対するアレルギーをお持ちの方や、小さなお子様、妊娠中の方など、摂取を極力控えたいと考える方もいらっしゃるでしょう。その場合は、着色料不使用のプレミアムな茶葉を選んだり、頻度を調整したりすることをおすすめします。「安全基準は満たしているが、気になる人は避ける選択肢もある」というスタンスで楽しむのが良いですね。
注意点
着色料そのものの安全性もさることながら、タイティーの場合は「糖分の過剰摂取」の方により注意が必要かもしれません。現地のレシピでは砂糖と練乳が大量に入っているため、飲み過ぎはカロリーオーバーに直結します。
タイの土壌や歴史との関係
インターネット上の一部では、「タイの土壌が赤土(ラテライト)であるため、そこで育つ茶葉も赤くなり、お茶の色もオレンジになる」という説がまことしやかに囁かれています。しかし、これは植物学的な観点や製茶のプロセスから見ても、科学的な根拠に乏しい都市伝説に近いものです。土の色がそのまま植物の抽出液の色になるわけではありません。
歴史的な背景を紐解くと、かつてタイにおいて紅茶は非常に高価な輸入品でした。一般庶民には手が届かない嗜好品だったため、より安価な国産の茶葉や、粉砕された茶葉(ダストティー)が流通するようになりました。しかし、これらの安価な茶葉は抽出した際の色が薄かったり、香りが弱かったりすることがありました。そこで、見た目を濃く、美味しそうに見せるために着色が始まったという説が有力です。
また、別の視点として「使用人の紅茶」説もあります。かつて屋敷の主人が飲む高級な紅茶と、使用人が飲む安価な紅茶を区別するため、あるいは使用人が主人の紅茶をこっそり飲まないように、あえて色を付けたのが始まりだという話もあります。真偽のほどは定かではありませんが、タイの階級社会や食文化の歴史の中で、色が重要な意味を持っていたことは間違いなさそうです。
独特な甘い味の特徴について
タイティーのもう一つの大きな特徴は、脳にガツンとくるあの強烈な甘さです。「甘すぎて飲めない!」という日本人の感想もよく聞きますが、この甘さにはタイの環境に適応した必然的な理由があります。
まず、タイは一年中気温が高い熱帯の国です。外を少し歩くだけで汗が噴き出し、体力を消耗します。そんな時、即座にエネルギーに変わる糖分は、身体にとって必要なガソリンのようなものです。冷たくて甘い飲み物は、暑さで疲れた脳と体をシャキッと蘇らせてくれます。
さらに、タイ料理の特徴である「辛さ(スパイシーさ)」との相性も無視できません。唐辛子をたっぷり使った激辛料理を食べた後、口の中のヒリヒリ感を鎮めるには、水やお茶よりも、脂肪分と糖分を含んだミルクティーが最適です。カプサイシンの刺激を乳脂肪分が和らげ、甘さが痛みを中和してくれるのです。つまり、タイティーの甘さは単なる嗜好ではなく、タイの気候風土と食文化が生んだ「必然の味」なのです。現地で飲むと不思議と美味しく感じるのは、その環境に体が馴染んでいるからかもしれませんね。
コンデンスミルクと色の変化
タイティーの美しいオレンジ色は、茶葉の赤い色素と乳製品が混ざり合うプロセスで完成します。この色の変化は、まるで理科の実験のように劇的で美しいものです。
まず、着色された茶葉をお湯で抽出した直後は、非常に濃い、黒に近い赤褐色をしています。透明度は低く、この時点ではまだ「オレンジ色」とは呼べません。ここに砂糖を加えると、少し透明感のある濃い赤色になります。そして、たっぷりのコンデンスミルク(加糖練乳)を投入した瞬間、色が劇的に変化します。
| 段階 | 液体の色 | 状態の特徴 |
|---|---|---|
| 抽出直後 | 濃い赤褐色・焦げ茶 | 非常に濃く、苦味も強い状態。 |
| 砂糖投入 | 透明感のある赤 | 少し粘度が出るが、まだ暗い色。 |
| 練乳投入 | クリーミーなオレンジ | 乳白色と赤が混ざり、鮮やかなパステル色に。 |
| エバミルク | 白とのグラデーション | 最後に上からかけることで、層ができる。 |
屋台で注文すると、最後に仕上げとしてエバポレートミルク(無糖練乳)を氷の上から回しかけてくれることが多いです。この時、オレンジ色の液体の中に白いミルクが雪崩のように落ちていく様子は、まさに「映える」瞬間。白とオレンジのコントラストが混ざり合っていくグラデーションも、タイティーの視覚的な楽しみの一つと言えるでしょう。
自宅で楽しむ作り方
「日本に帰ってからも、あのタイティーの味が忘れられない!」という方は多いはずです。実は、タイティーは自宅でも比較的簡単に再現することができます。ここでは、より現地に近い味を出すためのコツを交えた作り方をご紹介します。
用意するもの
- チャトラムーの赤缶(ネット通販や輸入食品店で入手可能)
- コンデンスミルク(加糖練乳):たっぷりと!
- エバポレートミルク(無糖練乳):なければ牛乳で代用可
- 砂糖:お好みで(キビ砂糖だとコクが出ます)
- 氷:グラス山盛り
- 布フィルター(あればベストですが、目の細かい茶漉しでもOK)
作り方の手順
- 濃いめに抽出する:
お湯の量に対して茶葉を多めに使い、濃く抽出します。現地の屋台では、布フィルターを使って何度も高い位置からお茶を通し(エアレーション)、空気をふくませて香りを立たせています。
- 熱いうちに甘くする:
抽出した熱い紅茶に、砂糖とコンデンスミルクを加えます。ここで恐れずに「甘すぎるかな?」と思うくらいの量を入れるのがポイントです。後で大量の氷で薄まることを計算に入れてください。
- 氷に注ぐ:
グラスの縁まで山盛りにした氷の上から、熱い紅茶を一気に注ぎます。急冷することで香りが閉じ込められます。
- 仕上げのミルク:
最後にエバポレートミルク(または牛乳)を上から静かに注ぎます。これで見た目も完璧なタイティーの完成です!
ポイントは、とにかく「濃く、甘く」作ることです。日本人の感覚で甘さを控えめにしてしまうと、氷が溶けた時に味がぼやけてしまい、現地のあのパンチのある味にはなりません。カロリーのことは一旦忘れて、思いっきり甘くして飲むのが、一番美味しい楽しみ方ですよ!
タイティーがオレンジ色なのはなぜか要点まとめ
長くなりましたが、最後に今回の記事のポイントをまとめます。タイティーのオレンジ色は、単なる見た目だけでなく、タイの文化や歴史が詰まった色だったんですね。
- タイティーの鮮やかなオレンジ色は、主に「FD&C Yellow No. 6」などの着色料による演出である。
- バニラ、スターアニス、タマリンドなどのスパイスがブレンドされ、独特の甘い香りと深みを生み出している。
- 使用されている着色料は国際的にも認可されているものだが、糖分も含めて飲み過ぎには注意が必要。
- タイの暑い気候でのエネルギー補給や、辛い料理との相性を考えて進化した「必然の味」である。
- 自宅で作る際は、氷で薄まることを計算して「濃く・甘く」作るのが現地流のコツ。
見た目の派手さに最初は驚くかもしれませんが、その理由や背景を知ると、タイの文化が詰まった一杯だと感じられますよね。次にタイを訪れた際は、あるいはご自宅で作る際は、ぜひその色と香りを存分に楽しんでみてください!


