タイ旅行のハイライトの一つである荘厳な寺院巡り。「タイの寺院へ行く際の服装はどうすればいいの?」と、具体的なマナーについて気になる方も多いでしょう。神聖な場所であるため、服装にはいくつかのルールが存在し、知らずに訪れると入場を断られてしまう可能性もあります。特に服装でNGとされるハーフパンツやシースルー素材の扱いや、サンダルや帽子の着用ルールは事前に確認しておきたいポイントです。また、服装は女性と男性で注意点が少し異なります。例えば、女性ならワンピースの選び方、男性ならジーパンの着こなし方など、細かい部分も気になりますよね。この記事では、タイの寺院を訪れる前に知っておきたい服装の基本ルールから、色選びのポイントまで、あなたの疑問を解消します。
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- タイの寺院でNGとされる服装の具体例
- 男女別に推奨される最適な服装とコーディネート
- サンダルや帽子といった小物に関するマナー
- 主要な寺院ごとのドレスコードの厳しさの違い
タイの寺院の服装で知っておきたい基本
- 寺院でNGとされる服装の共通点
- シースルーなど肌が透ける素材もNG
- 露出の多いハーフパンツは避けるべき
- ジーパンはダメージ加工に注意が必要
- 服装の色の選び方と注意点
寺院でNGとされる服装の共通点
タイの寺院を訪れる際、最も重要な服装の基本ルールは「肌の露出を控えること」です。これは、寺院が神聖な祈りの場であり、仏様に対して敬意を払うための大切なマナーとされています。具体的には、肩、胸元、お腹、そして膝上が露出する服装は避けなければなりません。
例えば、男女問わずタンクトップやキャミソール、オフショルダーのトップスはNGです。ボトムスに関しても、ショートパンツやミニスカートは膝が見えてしまうため、不適切と判断されます。このルールは、タイの数ある寺院の中でも、特に王室関連の格式高い寺院である「ワット・プラケオ(エメラルド寺院)」などで厳格に適用されています。
肌の露出は厳禁
寺院は信仰の場です。観光気分だけでなく、敬意を払う気持ちを服装で示すことが大切です。露出の多い服装は、他の参拝者にとっても配慮に欠ける行為と見なされることがあります。
もし、うっかり露出の多い服装で訪れてしまった場合でも、多くの主要な寺院では有料またはデポジット制で体を覆うための布(サロンやパレオ)や上着をレンタルできます。しかし、衛生面が気になったり、好みのデザインがなかったりすることもあるため、あらかじめ寺院訪問に適した服装を準備しておくのが最も確実です。
シースルーなど肌が透ける素材もNG
肌の露出を控えるという観点から、シースルー素材やレース生地など、肌が透けて見える服装も避けるべきです。長袖やロング丈の服を着ていても、素材が透けていては肌を覆っていることにはなりません。タイの気候は暑く、涼しげな素材を選びたくなりますが、寺院を訪問する日には注意が必要です。
特に、光に当たると下着のラインや肌が透けてしまう薄手の白いTシャツやワンピースは、自分では気づきにくいこともあるため、事前に確認しておくと安心です。これは、あくまで敬意を示すためのマナーであり、厳格な戒律があるわけではありませんが、周囲の参拝者に不快な思いをさせないための配慮と言えるでしょう。
涼しさを重視して薄手のカーディガンを羽織る方もいますが、そのカーディガン自体が透ける素材だとNGになる可能性も。重ね着をする際も、インナーだけでなく羽織りものの素材にも気を配りましょう。
露出の多いハーフパンツは避けるべき
タイの寺院における服装で、最も指摘されやすいのがハーフパンツやショートパンツです。男女を問わず、膝が完全に見えてしまう丈のボトムスは入場を断られる原因の第一位と言っても過言ではありません。これはタイの暑い気候から観光客が陥りやすい服装のミスの一つです。
目安としては、立った状態で膝のお皿が完全に隠れる丈が必要です。七分丈のパンツ(カプリパンツ)やロングスカート、長ズボンであれば問題ありません。もし旅行プランに寺院訪問が含まれている日は、朝から長ズボンを履いていくか、寺院訪問の直前に着替えられるよう準備しておくとスムーズです。
ボトムス選びのポイント
男性も女性も、くるぶし丈のゆったりとしたパンツ(タイパンツなど)は、涼しくて動きやすく、寺院巡りに最適です。現地で購入することもできるので、旅の記念に探してみるのも良いでしょう。
ジーパンはダメージ加工に注意が必要
カジュアルな服装の定番であるジーパン(デニムパンツ)は、寺院訪問で着用しても良いのでしょうか。結論から言うと、ダメージ加工が施されていないシンプルなジーパンであれば、問題ないとされる場合がほとんどです。
しかし、注意したいのが膝や太もも部分が破れている「ダメージジーンズ」や「クラッシュデニム」です。これらは肌が露出していると見なされ、ハーフパンツと同様にNGとなります。また、体のラインがくっきりとわかるタイトなスキニージーンズも、格式高い寺院では好ましくないとされることがあります。より無難な選択をしたい場合は、体のラインを拾いすぎないストレートタイプやワイドタイプのジーパンを選ぶと良いでしょう。
服装の色の選び方と注意点
タイの寺院を訪れる際の服装について、色に関する厳格なルールは特にありません。そのため、観光客が好きな色の服を着ていても問題になることは基本的にはないです。
ただ、寺院はあくまで厳かな祈りの場であるため、あまりにも派手すぎるネオンカラーや、けばけばしい柄物は避けた方が、周囲の雰囲気と調和しやすいでしょう。白、黒、ベージュ、ネイビー、カーキといった落ち着いた色味の服装は、どのような寺院でも悪目立ちすることなく、安心して参拝に集中できます。
豆知識:王室の弔事期間について
タイでは王室関係者の弔事期間中、国民が黒や白の服を着用して弔意を示す習慣があります。もし旅行のタイミングがこの期間に重なった場合は、寺院を訪れる際にも黒や白、グレーといった控えめな色を選ぶと、より敬意を示すことができます。
最終的には、個人の判断に委ねられますが、「敬意を払う」という気持ちを大切にし、その場にふさわしい服装を心がけることが重要です。
【男女別】タイの寺院での服装と注意点
- タイの寺院での服装【女性編】
- 女性のワンピース選びで気をつける点
- タイの寺院での服装【男性編】
- サンダルは履いても良い?靴の選び方
- 帽子は入場時に脱ぐのがマナー
タイの寺院での服装【女性編】
女性がタイの寺院を訪れる際の服装は、男性に比べて少し注意点が多くなります。基本の「肩・胸元・膝」の露出を避けるルールを守り、上品で控えめなコーディネートを心がけましょう。
推奨される服装の具体例としては、「半袖Tシャツやブラウス」に「ロングスカートや長ズボン」を合わせるのが最も簡単で間違いのないスタイルです。風通しの良いリネン素材のシャツや、ゆったりとしたシルエットのワイドパンツなども、タイの気候に適しておりおすすめです。
女性向けの推奨コーディネート
- トップス:袖のあるTシャツ、襟付きのシャツ、七分袖のブラウスなど。
- ボトムス:くるぶし丈のロングスカート、ワイドパンツ、チノパンなど。
- 羽織りもの:ノースリーブを着たい場合は、カーディガン、ストール、シャツなどを必ず用意する。
特に一枚持っていると便利なのが大判のストールです。普段はノースリーブで観光していても、寺院に入る直前に肩から羽織れば、露出を簡単にカバーできます。冷房対策にもなるため、旅行中は常にカバンに入れておくと重宝します。
女性のワンピース選びで気をつける点
ワンピースは一枚でコーディネートが完成するため、旅行中に便利なアイテムですが、寺院訪問の際に着用する場合はデザインに注意が必要です。まず、ノースリーブやキャミソールタイプのワンピースは、単体で着るのはNGです。必ずカーディガンやストールなどを羽織って肩を隠してください。
また、スカートの丈も重要です。最低でも膝下が隠れるミモレ丈やマキシ丈を選びましょう。スリットが深く入っているデザインも、歩いたときに肌が見えすぎてしまうため避けた方が無難です。胸元が大きく開いたデザインも不適切なので、クルーネックやボートネックなど、詰まった首元のものを選ぶと安心です。
タイの寺院での服装【男性編】
男性の服装ルールは女性と比べてシンプルですが、油断は禁物です。やはり基本は「肩と膝の露出を避けること」に尽きます。暑いからといって、タンクトップやハーフパンツで訪れるのはマナー違反となります。
最も無難で推奨される服装は、「Tシャツやポロシャツ」に「長ズボン」の組み合わせです。ジーンズでも問題ありませんが、前述の通り、ダメージ加工のあるものは避けましょう。チノパンやカーゴパンツなども動きやすく、寺院巡りに適しています。
男性が注意すべき服装
袖のないタンクトップや、バスケットボールのユニフォームのような服装はNGです。また、サッカーパンツのような極端に短いスポーツウェアも避けましょう。
タイの寺院は階段の上り下りが多い場所もあります。汗をかくことを見越して、速乾性のある素材のTシャツなどを選ぶと、快適に過ごせるでしょう。
サンダルは履いても良い?靴の選び方
足元のマナーについても気になる方が多いでしょう。結論として、多くの寺院ではサンダルを履いて入場しても問題ありません。ただし、いくつかの注意点があります。
まず、かかとを固定するストラップがない、つっかけるだけのビーチサンダルやクロックスは、格式の高い寺院では避けた方が無難です。かかとが固定されるスポーツサンダルやバックストラップ付きのサンダルであれば、まず問題になることはありません。
また、ほとんどの寺院では、本堂などの建物に入る際に靴を脱ぐ必要があります。そのため、脱ぎ履きしやすい靴を選ぶと非常にスムーズです。スニーカーも良い選択ですが、靴紐を結び直すのが手間に感じることも。その点、ストラップ付きのサンダルやスリッポンは便利です。靴下は必須ではありませんが、裸足で歩くことに抵抗がある方や、日焼け対策をしたい方は履いていくと良いでしょう。
靴を脱いで上がる際、入り口に靴箱や棚がありますが、たくさんの靴が並びます。特に観光客が多い寺院では、自分の靴を間違えられたり、万が一の盗難を防ぐために、ビニール袋を持参して自分で管理するのも一つの方法です。
帽子は入場時に脱ぐのがマナー
日差しが強いタイでは、観光中の帽子は必需品です。しかし、寺院の敷地内であっても、本堂や礼拝堂など、仏像が祀られている屋内に入る際には、必ず帽子を脱ぐのがマナーです。これは仏様への敬意を示すための世界共通のルールとも言えます。
サングラスやイヤホンも同様に、屋内に入る前には外しましょう。屋外を散策している間は帽子をかぶっていても問題ありませんが、建物の入り口を通過する際には、忘れずに脱ぐ習慣をつけましょう。
まとめ:タイの寺院の服装マナー

この記事で解説した、タイの寺院を訪れる際の服装に関する重要なポイントを以下にまとめます。
- 最も重要なルールは肌の露出を控えること
- 肩、胸元、お腹、膝上を隠すのが基本
- 男女問わずタンクトップやキャミソールはNG
- ハーフパンツやミニスカートも避ける
- シースルー素材やレースなど透ける服も不適切
- ダメージ加工のあるジーパンはNG
- シンプルなジーパンは多くの寺院で許容される
- 服装の色に厳格なルールはないが派手な色は避けるのが無難
- 女性は半袖とロングスカートや長ズボンが基本スタイル
- ワンピースは袖があり膝下丈のものを選ぶ
- ノースリーブの場合は必ず羽織りものを用意する
- 男性はTシャツやポロシャツに長ズボンが最適
- 靴はかかとが固定されるサンダルならOK
- 脱ぎ履きしやすい靴が便利
- 本堂など屋内に入る際は帽子やサングラスを外す

