
こんにちは!ポジオのタイ駐在日記、運営者の「ポジオ」です。タイの首都バンコクから車で数時間の距離に位置する王室の保養地、ホアヒン。都会の喧騒を離れて、優雅なリゾートライフを送ってみたいと考える方も多いのではないでしょうか。実際にホアヒンへの移住を検討する際、現地の治安や生活にかかる費用、メリットやデメリットは非常に気になるところですよね。老後のロングステイ先としても注目されているこの街ですが、インターネット上のブログ記事や情報はバンコクに比べるとまだ少なく、失敗しないための具体的な判断材料を探すのに苦労されているかもしれません。この記事では、そんなホアヒン移住のリアルな実態について、現地情報や体験談を交えながら詳しくお話ししていこうと思います。
- ホアヒンがなぜ「王室の保養地」として治安が良いと言われるのか理解できる
- ゴルフやビーチなど大人のリゾートライフを満喫できる環境の詳細がわかる
- 実際の家賃相場や物価など移住にかかる費用の目安を把握できる
- ゴミ問題や移動手段など実際に住んでみないとわからない生活の注意点を知れる
タイのホアヒンへ移住する5つの魅力

タイ国内にはプーケットやパタヤ、サムイ島など数多くのビーチリゾートがありますが、その中でもホアヒンは独特の「気品」と「落ち着き」を持った特別な場所です。派手なネオンや喧騒とは一線を画す、ホアヒンならではの魅力的な住環境について、まずは5つのポイントに絞ってご紹介します。
治安が良く王室の保養地として安心

ホアヒンへの移住を検討されている方の多くが、最大のメリットとして挙げるのが圧倒的な治安の良さです。「海外移住=治安が心配」というのは、誰しもが抱く不安要素ですが、ホアヒンに関して言えば、その不安はかなり軽減されると言って間違いありません。他のタイのリゾート地と比較しても、街全体の雰囲気が穏やかで、殺伐とした空気が一切ないのが特徴です。
その背景には、ホアヒンが古くから「タイ王室の保養地」として愛されてきたという歴史的な経緯があります。1920年代にラマ7世が夏の離宮として「クライカンウォン宮殿」を造営しました。この宮殿の名前はタイ語で「心配のない宮殿(Far From Worries)」を意味しており、その名の通り、王族の方々が心安らかに過ごすための場所として発展してきました。現在でも王室関係者が滞在されることがあるため、街全体の警備体制は非常に厳重です。ホアヒン警察署の管轄エリアではパトロールが頻繁に行われており、街の至る所に警備員や警察官が配置されているのを目にします。
実際に住んでみるとわかりますが、いわゆる「歓楽街」特有のギラギラしたネオンや、強引な客引きといったトラブルの種が極端に少ないのも大きな魅力です。もちろん、バービアなどが集まるエリアも一部にはありますが、パタヤのような大規模なものではなく、規模も小さく落ち着いています。そのため、夜に家族で食事に出かけたり、女性一人でショッピングモールやナイトマーケットを歩いたりしても、過度な緊張感を強いられることはありません。
タイは「微笑みの国」と言われますが、それでも場所によってはスリや置き引きなどの軽犯罪に注意が必要です。しかし、ホアヒンは住民の意識も高く、リタイアした欧米人の富裕層やタイ人のハイソサエティ層が多く暮らしているため、街全体に「大人の余裕」とでも言うような穏やかな空気が流れています。小さなお子様連れのファミリーや、老後を静かに過ごしたいご夫婦にとって、この「守られている安心感」は何物にも代えがたい価値となるでしょう。初めての海外生活で不安を感じている方ほど、ホアヒンの治安の良さは大きな支えになるはずです。
ここがポイント
王室警護の観点から治安維持には特に力が入れられています。ただし、あくまで外国であることを忘れず、夜間の人通りの少ない路地は避ける、貴重品管理を徹底するといった基本的な防犯意識は持つようにしましょう。
温暖な気候で一年中過ごしやすい環境

移住生活の質(QOL)を大きく左右するのが「気候」です。タイと言えば「一年中暑い」「雨季のスコールが激しい」というイメージがあるかもしれませんが、ホアヒンはその中でも特筆すべき気候的なメリットを持っています。それは、タイ国内でもトップクラスに降水量が少ない地域であるということです。
ホアヒンはタイ湾を挟んでパタヤの対岸に位置していますが、地理的な要因から雨雲が流れ込みにくく、年間を通じてカラッとした晴天の日が多いのが特徴です。タイには大きく分けて「暑季(3月〜5月)」「雨季(6月〜10月)」「乾季(11月〜2月)」の3つの季節がありますが、ホアヒンの雨季は、アンダマン海側のプーケットなどのように一日中雨が降り続くようなことは稀です。夕方にざっとスコールが降って、その後はすぐに涼しくなるといったパターンが多く、ジメジメした不快な湿気に悩まされることが比較的少ないのです。
特に11月から2月にかけての乾季は、まさにベストシーズンと言えます。平均気温も25度〜30度前後と過ごしやすく、朝晩は長袖のシャツが一枚欲しくなるような涼しさ(と言っても20度前後ですが)を感じることもあります。この時期はヨーロッパからの避寒客で街が賑わい、一年で最も華やかな雰囲気に包まれます。北欧などの厳しい冬を逃れてホアヒンに数ヶ月滞在する「渡り鳥」のようなロングステイヤーが多いのも、この快適な気候があればこそです。
また、海沿いの街であるため、常に心地よい海風が吹いているのも魅力の一つです。バンコクのヒートアイランド現象による熱気がこもるような暑さとは異なり、日陰に入れば風が通り抜けて涼しく感じられます。洗濯物がよく乾くという生活上のメリットも見逃せません。関節痛や喘息などの持病をお持ちの方にとっても、この温暖で乾燥した気候は、身体への負担が少ない理想的な療養環境と言えるかもしれません。気象データを見ても、その過ごしやすさは明らかです。
ホアヒンの気候データ(平均気温)
| 月 | 1月(乾季) | 4月(暑季) | 8月(雨季) | 12月(乾季) |
|---|---|---|---|---|
| 平均最低気温 | 21.7℃ | 25.5℃ | 25.2℃ | 22.0℃ |
| 平均最高気温 | 29.7℃ | 33.6℃ | 32.8℃ | 29.2℃ |
(出典:Thai Meteorological Department(タイ気象局))
ゴルフやビーチなどアクティビティが豊富
「リゾート暮らし=毎日海を眺めるだけで退屈そう」なんて思っていませんか?ホアヒンに限ってはその心配は無用です。むしろ、やりたいことが多すぎて時間が足りないほど、多彩なアクティビティがあなたを待っています。ここでは、ゴルフとビーチを中心に、ホアヒンでの楽しみ方を深掘りしてみましょう。
世界中のゴルファーが憧れる聖地
もしあなたがゴルフ好きなら、ホアヒンへの移住は人生最良の決断になるかもしれません。ホアヒンは、1924年にタイ王室専用のゴルフ場として建設された「ロイヤル・ホアヒン・ゴルフコース」を擁する、まさにタイのゴルフ発祥の地。街の中心部から車でわずか30分圏内に、国際的なトーナメントが開催されるレベルの名門コースが9つ以上も点在しています。
特筆すべきは、そのコストパフォーマンスの高さです。日本で同クラスの名門コースを回ろうと思えば数万円は覚悟しなければなりませんが、ホアヒンなら数千円〜1万円程度(時期やメンバーシップの有無による)でプレー可能です。しかも、タイのゴルフスタイルは「1人1キャディ」が基本。カートに乗って、キャディさんにサポートしてもらいながら殿様気分で優雅にラウンドできるのは、タイならではの贅沢です。「Black Mountain Golf Club」や「Banyan Golf Club」といった数々の賞を受賞しているコースでのプレーは、ゴルファーとしての経験値を格段に上げてくれるでしょう。
エンジンの音がしない静寂のビーチ
ホアヒンのビーチが他のリゾートと決定的に違う点、それは「静けさ」です。王室の保養地としての品格を守るため、ビーチの主要エリアでは、ジェットスキーやバナナボートといったエンジン付きのモーターマリンスポーツが禁止されています。そのため、耳をつんざくようなエンジン音や排気ガスの臭いに悩まされることはありません。
聞こえてくるのは、波の音と風の音だけ。そんな静かな砂浜を、名物のポニー(馬)に乗って散歩するのがホアヒン流の楽しみ方です。夕暮れ時、オレンジ色に染まる水平線を眺めながらの乗馬体験は、まるで映画のワンシーンのよう。また、風が良い日はカイトサーフィンを楽しむ人々の姿も見られ、カラフルなカイトが青空に舞う様子は圧巻です。もちろん、海だけでなく山のアクティビティも充実しており、少し足を伸ばせば「カオ・サム・ローイ・ヨート国立公園」や「モンスーンバレー・ヴィンヤード(ワイナリー)」など、大人が楽しめるスポットが盛りだくさんです。
インター校など子供の教育環境も充実
お子様連れで移住を検討されている方にとって、最も頭を悩ませるのが「教育環境」ではないでしょうか。「リゾート地でまともな教育が受けられるのか?」という懸念を持たれるのは当然です。しかし、ホアヒンには欧米からの移住者が非常に多いため、その子供たちが通う質の高いインターナショナルスクールがしっかりと整備されています。
ホアヒンには、英国式のカリキュラムを採用している「The British International School of Hua Hin」や、国際バカロレア(IB)に対応したプログラムを持つ学校など、複数の選択肢があります。これらの学校の最大の特徴は、バンコクのマンモス校とは異なり、少人数制でアットホームな教育が行われている点です。クラスの人数が少ないため、教師の目が一人一人の生徒に行き届きやすく、英語が母国語でない日本人の子供にとっても馴染みやすい環境が整っています。
また、豊かな自然環境を活かした課外活動も盛んです。教室内での勉強だけでなく、ビーチでの環境学習やスポーツ、アート活動などを通じて、子供たちの感性や自主性を育む教育方針が多く見られます。実際に、バンコクの大気汚染や過度な競争社会に疲弊し、子供の健やかな成長を求めてホアヒンへ移住してくる家族も増えています。きれいな空気を吸い、広い芝生の上を裸足で駆け回りながら、世界中の子供たちと共に学ぶ。そんなのびのびとした教育環境がここにはあります。もちろん日本語補習校などはないため、家庭での日本語学習は必須になりますが、グローバルな感性を育てるには最適な場所と言えるでしょう。
学費についての補足
一般的に、バンコクのトップクラスのインターナショナルスクールと比較すると、ホアヒンのインター校の学費はやや割安な傾向にあります。もちろん決して安くはありませんが、生活費全体のバランスを考えると、コストパフォーマンスは高いと言えるかもしれません。入学金や授業料の詳細は各学校の公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。
医療やインフラが整い長期滞在に最適

短期の旅行なら多少の不便も「旅の味」として楽しめますが、生活となると話は別です。特に医療と買い物環境は、移住生活の生命線とも言えます。ホアヒンが世界中のリタイア層からロングステイ先として高く評価されている理由は、まさにこの「生活インフラの充実度」にあります。
国際レベルの医療機関
まず医療についてですが、ホアヒンには「Bangkok Hospital Hua Hin(バンコク病院ホアヒン)」という、タイ最大手の病院グループの分院があります。ここは国際的な医療機能評価機関(JCI)の認証を取得しており、医療機器や医師のレベルはバンコク本院と比較しても遜色ありません。院内はまるで高級ホテルのような清潔感があり、英語でのコミュニケーションもスムーズです。また、「San Paulo Hospital(サンパウロ病院)」などの私立病院もあり、風邪や怪我といった日常的なトラブルから、ある程度の高度医療まで対応可能です。
もし、心臓手術などの超高度な治療が必要になった場合でも、バンコクまで車で2時間半〜3時間程度で搬送できる距離感は大きな安心材料です。これがサムイ島などの離島のリゾートだと、ヘリコプター搬送が必要になったりとハードルが上がりますが、陸続きであることのメリットは計り知れません。
不自由のない買い物環境
買い物に関しても、わざわざバンコクに買い出しに行く必要はほぼありません。街の中心には「Market Village(マーケットビレッジ)」と「Bluport(ブルーポート)」という2つの巨大ショッピングモールがあり、ユニクロやH&Mなどのアパレル、映画館、銀行、携帯ショップなど、生活に必要なテナントは全て揃っています。
食料品については、高級スーパーの「Gourmet Market」や、輸入食材が豊富な「Villa Market」があり、日本の調味料、味噌、醤油、カレールー、さらには納豆まで手に入ります。もちろん値段は日本より高いですが、「お金さえ出せば手に入る」という安心感は海外生活では重要です。一方で、ローカルの市場に行けば新鮮な野菜や果物、魚介類が格安で手に入るため、メリハリのある消費生活が可能です。
タイのホアヒンへ移住後の生活の実態
ここまではホアヒンの「光」の部分にスポットを当ててきましたが、ここからは実際に住んでみて初めてわかる「影」の部分や、リアルな生活の実態について、包み隠さずお話ししていきます。移住後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、現実的な側面もしっかり把握しておきましょう。
バンコクと比較して物価や家賃が安い

移住を決断する最大のトリガーとなるのが「経済的なメリット」でしょう。世界的なインフレの影響でタイの物価も上昇傾向にありますが、それでもホアヒンの生活コストは、首都バンコクやプーケットといった主要観光地と比較すると、依然として割安感を維持しています。
最も差が出るのは住居費です。バンコクのスクンビットエリア(日本人居住区)で、プール・ジム付きの1ベッドルーム(40〜50平米)を借りようとすれば、最低でも2万〜3万バーツ(約8万〜12万円)は覚悟しなければなりません。しかし、ホアヒンであれば、同等のファシリティを持つコンドミニアムが1万〜1万5千バーツ程度で見つかることも珍しくありません。
さらに魅力的なのは、プール付きのヴィラ(一軒家)です。2ベッドルームや3ベッドルームの広々としたプライベートプール付きヴィラが、月額2万5千〜4万バーツ程度で賃貸可能です。日本では考えられないような豪華な家に、驚くほどリーズナブルな価格で住めるのは、ホアヒン移住の醍醐味と言えるでしょう。実際に、短期滞在(1週間程度)でプールヴィラを借りても11,000バーツ程度というケースもあり、これを月契約、年契約にすればさらにディスカウントが期待できます。
食費に関しても同様です。観光客向けのシーフードレストランや西洋料理店はそれなりの価格(日本と同じか少し安いくらい)がしますが、地元の人々が利用する食堂や屋台を利用すれば、パッタイやカオマンガイが一食50〜60バーツ(約200円〜250円)で食べられます。朝市で新鮮な野菜や果物をキロ単位で購入し、自炊をメインにすれば、夫婦2人でも月々の食費を2〜3万円程度に抑えることも十分に可能です。「贅沢しようと思えばできるし、節約しようと思えば徹底的にできる」という選択肢の幅広さが、ホアヒン生活の家計を助けてくれます。
コンドミニアムやヴィラなど物件の選び方

ホアヒンでの住まい探しは、大きく分けて「コンドミニアム」「ヴィラ(一軒家)」「タウンハウス」という3つの選択肢があります。それぞれのライフスタイルに合わせた物件選びが、快適な移住生活の第一歩です。
1. コンドミニアム
セキュリティと利便性を最優先するなら、コンドミニアムがおすすめです。特に海沿いのエリアや幹線道路(ペチャカセム通り)沿いには、リゾート感満載の大型コンドミニアムが立ち並んでいます。プール、ジム、サウナ、24時間の警備体制が標準装備されており、共用部分の清掃やメンテナンスも管理会社が行ってくれるため、手間がかかりません。単身者やご夫婦のみの世帯、初めての海外移住で不安な方には最適な選択肢です。
2. プールヴィラ(一軒家)
「せっかく南国に来たのだから」と、プール付きの一軒家を選ぶファミリー層も多いです。多くの場合、ゲーテッドコミュニティ(塀で囲まれた住宅地)の中にあり、入り口には警備員が常駐しています。広々とした庭とプライベートプールは最高ですが、庭木の手入れやプールの水質管理、落ち葉の掃除などは自分で行うか、別途費用を払って業者に依頼する必要があります。また、自然に近い分、ヤモリやアリ、時には蛇などの「招かれざる客」が庭に出現することもあるので、虫が苦手な方は注意が必要です。
3. タウンハウス
家賃をとにかく抑えたい場合は、タウンハウス(長屋)という選択肢もあります。月額数千バーツから借りられる物件もありますが、隣家との壁が薄く騒音が気になったり、セキュリティ面で不安があったりと、上級者向けの物件と言えます。ローカルの生活にどっぷり浸かりたい方には面白いかもしれません。
海沿い物件の落とし穴
オーシャンビューの物件は憧れますが、潮風による塩害は想像以上です。自転車やバイクはすぐに錆びつき、洗濯物はベタつき、PCなどの電子機器が故障しやすくなることもあります。また、湿気がこもりやすくカビが発生しやすいというデメリットも。海が見えることと、海風が直撃することは別問題として、慎重に物件を選ぶことをおすすめします。
日本人も馴染みやすい食事や買い物環境
「毎日タイ料理だと飽きてしまうかも…」そんな心配をお持ちの方もいるでしょう。しかし、ホアヒンの食環境は驚くほど多様で、日本人の舌にも馴染みやすいものがたくさんあります。
まず、ホアヒンは港町であるため、シーフードの鮮度が抜群です。カニやエビ、イカなどをシンプルに蒸したり焼いたりして、特製のシーフードソース(ナムチム・シーフード)で食べるのが定番。このソースは辛いですが、素材の味がしっかりしているので、醤油を持参すれば日本風の味わいでも楽しめます。
また、欧米人が多いため、本格的なイタリアン、フレンチ、ステーキハウスのレベルが非常に高いのも特徴です。石窯で焼くピザや、自家製パスタを提供する店が街中に点在しており、バンコクの有名店にも引けを取らないクオリティの食事が、よりリーズナブルに楽しめます。パン屋さんも多く、朝食に美味しいクロワッサンやバゲットを買うことには事欠きません。
自炊派にとっても環境は整っています。「Tesco Lotus(テスコロータス)」や「Big C(ビッグシー)」といった大型スーパーでは、肉や魚、野菜が安く手に入りますし、前述の「Villa Market」に行けば、日本のカレールー、マヨネーズ、ソース、インスタントラーメン、冷凍うどんなどが購入可能です。最近では日本食レストランも増えており、「FUJIレストラン」や「8番らーめん」といったチェーン店から、個人経営の居酒屋まであるため、日本食シックになっても解消できる場所は確保されています。
現地の日本人コミュニティとの関わり方
海外生活において、日本人同士の付き合い方は意外と難しいテーマです。バンコクには数万人規模の日本人が住んでおり、県人会や大学の同窓会など無数のコミュニティが存在しますが、ホアヒンの日本人人口は数百人規模(推定)と、非常にコンパクトです。
そのため、日本人コミュニティは「狭く、濃く」なりがちです。どこに行っても知っている日本人に会う、噂話がすぐに広まるといった、田舎特有の人間関係の煩わしさを感じることもあるかもしれません。しかし逆に言えば、困った時にはすぐに助け合える、家族のような温かい繋がりを持つこともできます。ゴルフ仲間や飲み仲間として、生涯の友人に出会えるチャンスでもあります。
大切なのは「適度な距離感」です。日本人だけで固まりすぎず、かといって孤立せず、自分のペースで付き合えるスタンスを確立することが、精神的に健康な移住生活を送るコツです。ホアヒンには様々な国籍の人々が住んでいます。英語が少しでも話せれば(あるいは話そうとする意欲があれば)、国籍を超えた交流を楽しむことができ、視野が一気に広がります。現地の語学学校に通ったり、ボランティア活動に参加したりして、日本人以外のコミュニティにも属場所を作っておくと、生活のバランスが取りやすくなるでしょう。
ゴミ問題など生活で気をつけるべき注意点

最後に、生活する上で直面するであろう「マイナス面」や注意点についても触れておきます。綺麗なリゾートというイメージだけで移住すると、ギャップに苦しむことになります。
ゴミ処理と衛生面
残念ながら、タイの地方都市共通の課題として「ゴミ問題」があります。ホアヒンも例外ではなく、中心部から少し離れると、道路脇にゴミが投棄されていたり、空き地にゴミが散乱していたりする光景を目にすることがあります。行政も対策を進めていますが、日本のような厳格な分別収集システムはまだ浸透していません。また、野良犬(ソイ・ドッグ)も多く、夜間に一人で歩く際は注意が必要です。狂犬病のリスクもあるため、むやみに近づいたり触ったりしないよう、特に子供には言い聞かせておく必要があります。
野生動物との共存
自然が豊かであることの裏返しですが、野生動物との距離が非常に近いです。特に「サル」には注意が必要です。カオ・タキアップなどの観光スポット周辺や、山沿いの住居では、サルがベランダに入り込んで食べ物を奪ったり、物を壊したりする被害が報告されています。彼らは非常に賢く、網戸を開けることさえあります。また、郊外の道路では野生の象や水牛が横断することもあり、運転中の衝突事故には十分な注意が必要です。
交通手段の確保
ホアヒンでの生活には、自家用車かバイクがほぼ必須です。バンコクのようにBTS(スカイトレイン)やMRT(地下鉄)は走っていません。ソンテウという乗り合いバスが主要道路を走っていますが、路線や時間は限られており、夜遅くには終わってしまいます。Grab(配車アプリ)も使えますが、毎回利用しているとコストがかさみます。中古のバイクを購入するか、レンタカーを長期契約するなど、自力での移動手段を確保することが、行動範囲を広げ、生活を楽しむための鍵となります。
自然豊かなタイのホアヒンへ移住しよう

ここまで、タイのホアヒン移住について、良い面も注意すべき面も含めてご紹介してきました。王室ゆかりの治安の良さ、温暖な気候、そしてゴルフやビーチなどの充実したアクティビティ。ホアヒンは、都会の喧騒から離れ、自分らしいペースで上質な時間を過ごしたい方にとって、最高の移住先候補の一つと言えるでしょう。
もちろん、言葉の壁や文化の違い、移動手段の確保など、クリアすべき課題はありますが、それらを補って余りある魅力がこの街にはあります。もし興味を持たれたら、まずは1週間程度の短期滞在(プチ移住)から始めてみてはいかがでしょうか?コンドミニアムやヴィラを借りて、市場で買い物をし、夕方はビーチを散歩する。そんな「暮らすような旅」を通じて、実際の空気に触れてみてください。きっと、ホアヒンでの新しい生活がより具体的に、そして鮮やかにイメージできるはずですよ。


