
こんにちは!ポジオのタイ駐在日記、運営者の「ポジオ」です。
念願かなって新しい職場に転職したものの、いざ仕事を始めてみると「思うように仕事ができない」「周りのレベルについていけない」と悩んでしまうことはありませんか。前職ではバリバリと活躍していたのに、新しい環境ではミスを連発してしまったり、社内用語が全く分からずに会議で置いてけぼりになったりと、自信を完全に喪失してしまう人は意外と多いものです。私自身も日本で働いていた頃、そしてタイでの駐在生活を始めた当初、文化や商習慣の違いに戸惑い、自分の無力さに打ちひしがれた経験があります。だからこそ、今あなたが感じている焦りや不安な気持ちは痛いほどよく分かります。
特に試用期間中や入社して3ヶ月が経つ頃は、仕事へのプレッシャーと人間関係のストレスがピークに達し、「自分はこの会社に合っていないんじゃないか」「もう辞めたい」と追い詰められてしまうことも少なくありません。しかし、その悩みはあなただけのものではなく、環境が変われば誰にでも起こりうることです。この記事では、そんな転職直後の苦しい時期に多くの人が陥りがちな「仕事ができない」と感じる特徴的な原因を深掘りし、その泥沼から抜け出し、再び自信を持って働くための具体的なヒントをお伝えします。
- 転職先で仕事がうまくいかない人に共通する思考や行動のパターン
- 入社直後の「3ヶ月の壁」や試用期間に感じる漠然とした不安の正体
- 新しい環境で信頼を築き、着実にスキルアップするための実践的なコツ
- どうしても辛い場合に考えるべき、環境の見直しや次のステップ
転職後に仕事ができない人の特徴や共通する原因

新しい職場で水を得た魚のようにスムーズにスタートを切れる人がいる一方で、なかなか波に乗れず、空回りして苦労してしまうケースもあります。私自身が見聞きしてきた多くの転職者の話や、自分自身の失敗経験を踏まえると、そこには性格や能力の問題だけではない、いくつかの共通した「陥りやすい罠」があるように感じます。ここでは、転職後に仕事ができないと悩む人が無意識のうちにハマってしまっている特徴や原因について、詳しく見ていきましょう。
前職のやり方に固執して適応できない悩み

転職後に苦労する最大かつ最も典型的な原因の一つが、「前の会社ではこうだった」「前のやり方の方が正しかった」という意識が強すぎて、新しい環境のルールや文化に適応できないことです。これをビジネス用語で「アンラーニング(学習棄却)の失敗」と呼ぶこともありますが、要するに過去の成功体験が邪魔をしてしまっている状態です。
特に、大手企業からベンチャー企業へ転職した場合や、一つの会社に長く勤めていて独自の社内ルールが染み付いている場合にこの傾向が強く出ます。例えば、意思決定のスピード感、使用しているチャットツール、会議の進め方、資料作成の細かさなど、会社が変われば「常識」は180度変わります。
無意識に出る「否定」が孤立を招く
「前の会社ではもっと効率的なシステムを使っていたのに、なんでこんなアナログなことをしているんだ」と、新しい職場のやり方を心の中で(あるいは口に出して)否定していませんか?もちろん、あなたの経験や知識は貴重なものですが、入社したばかりの段階で既存のプロセスを批判されると、既存の社員は「自分たちのやり方を否定された」と感じ、あなたに対して心を閉ざしてしまいます。
仕事ができないと悩む人の多くは、スキルの問題以前に、この「適応しようとする姿勢」が見えないことで、周囲からの協力を得られなくなっているケースが非常に多いのです。まずは新しい環境の「郷」に入り、その流儀を理解することが、信頼獲得への第一歩となります。
ここが注意点
自分のスキルや経験に自信を持つことは大切ですが、それを新しい職場に無理やり押し付けると「扱いにくい人」「プライドが高い人」と思われてしまうリスクがあります。まずは「郷に入っては郷に従え」の精神で、その場のルールをリスペクトすることがスタートラインです。
コミュニケーション不足で孤立する問題
新しい職場では、自分から積極的にコミュニケーションを取らないと、情報のキャッチアップが圧倒的に遅れてしまい、結果として「仕事ができない」状況を作り出してしまいます。
中途採用の場合、新入社員のように手取り足取り教えてもらえる研修期間がないことも珍しくありません。「分からないことがあれば聞いてね」と言われても、「誰に聞けばいいか分からない」「みんな忙しそうで相談しづらい」という遠慮から、一人で抱え込んでしまう人が非常に多いです。
リモートワーク時代の弊害と対策
特に近年はリモートワークやハイブリッドワークが普及しているため、隣の席の人に「ちょっといいですか?」と気軽に聞くような雑談の機会が激減しています。チャットで質問する文章を考えているうちに時間が過ぎてしまったり、Zoom会議が終わった瞬間にプツリと会話が切れてしまったりと、関係構築のハードルは上がっています。
しかし、そこで受け身の姿勢で指示を待っているだけだと、周囲からは「何も発信してこない人」「やる気があるのか分からない人」と誤解されてしまいます。仕事ができないという評価は、実は成果の有無よりも、こうした「報連相の不足」から生まれる不信感によるところが大きいのです。
コミュニケーション不足が招く悪循環
- 質問しないため、自己判断で進めてしまい方向性がズレる
- 進捗が見えないため、上司が不安になりマイクロマネジメント(過干渉)が始まる
- 周囲との人間関係が希薄になり、困った時に助けを求められなくなる
転職後3ヶ月の壁で仕事ができないと感じる
入社してすぐの1ヶ月目は、覚えることに必死でアドレナリンが出ているため、あっという間に時間が過ぎていきます。しかし、業務フローや人間関係に少し慣れてきた3ヶ月目くらいに、急激にモチベーションが低下したり、「やっぱりこの仕事は自分に向いていないのではないか」と自信を喪失したりすることがあります。これを一般的に「転職後3ヶ月の壁」と呼びます。
期待値とのギャップに苦しむ時期

最初の1〜2ヶ月は「入社したてだから仕方ない」とお客様扱いで許されていたミスも、3ヶ月が経つと「そろそろ試用期間も終わるし、一人前になってほしい」という周囲からの期待がかかり始めます。その一方で、自分自身はまだ業務を完璧にこなせず、成果も出せていないという現実に直面します。
「もっとできると思っていたのに」「こんなはずじゃなかった」という自分自身への失望と、周囲からのプレッシャーの板挟みになり、最もメンタルが不安定になりやすい時期なのです。この時期に「自分は仕事ができない」と決めつけてしまうのは早計ですが、多くの人がここで挫折感を感じることは知っておくべきでしょう。この壁は、成長痛のようなものであり、乗り越えれば景色が変わるポイントでもあります。
3ヶ月の壁とは?
新しい環境への緊張が解け、理想と現実のギャップが見えてくる時期に感じる心理的なストレスのこと。ハネムーン期(高揚期)が終わり、幻滅期に入るタイミングであり、多くの人が経験する通過儀礼のようなものです。過度に自分を責める必要はありません。
仕事ができないため試用期間でクビになる不安
「仕事ができないと思われて、試用期間で本採用を拒否されたらどうしよう」「明日突然、解雇を言い渡されるんじゃないか」という強烈な不安も、転職直後のパフォーマンスを低下させる大きな要因です。
この不安が強すぎると、失敗を恐れるあまり行動が消極的になり、上司の顔色ばかり伺ってしまったり、ミスの報告を遅らせてしまったりと、かえって悪い結果を招く「予言の自己成就」に陥ってしまいます。毎日ビクビクしながら仕事をしていては、本来の能力が出せるはずもありません。
法的な観点から見た「試用期間」の真実
しかし、過剰に心配する必要はありません。日本の労働法において、試用期間中であっても会社側が従業員を解雇することは非常にハードルが高いとされています。単に「仕事の覚えが少し悪い」「期待していたレベルに達していない」という理由だけで、即座にクビになることは法的に認められにくいのが現状です。
厚生労働省のガイドラインでも、解雇は客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められない場合は無効となるとされています。もちろん、無断欠勤を繰り返すなどの著しい勤務態度不良や、重大な経歴詐称があった場合は別ですが、真面目に勤務している限り、いきなり職を失うリスクは低いと言えます。
(出典:厚生労働省『労働契約の終了(解雇)』)
面接で自分を良く見せすぎてしまった場合などは、入社後のギャップに苦しむことが多いですが、変に取り繕うよりも、正直に今の実力を認めて、一歩ずつ成長していく姿勢を見せることの方が、会社からの信頼を守る近道です。
異業種転職でスキル不足により辛いと感じる
営業職からエンジニア、あるいは事務職から企画職など、全くの異業種や未経験の職種にチャレンジした場合、最初のうちは「何もできない」のが当たり前です。
しかし、責任感が強く真面目な人ほど「早く戦力にならなければ」と焦ってしまい、即戦力として活躍している同僚や、年下でも社歴の長い先輩と自分を比べて落ち込んでしまいます。特に、前職ではベテランとして頼られていた人ほど、新人として「何も知らない人」になり、年下の人に頭を下げて教えてもらう立場になることに、プライドが邪魔をしてしまうことがあります。
ポータブルスキルとテクニカルスキルの違いを理解する
ここで整理しておきたいのは、あなたには「業界知識や専門スキル(テクニカルスキル)」は無くても、これまでの社会人経験で培った「仕事の進め方や対人能力(ポータブルスキル)」はあるはずだということです。
新しい分野でのスキル不足は恥ずかしいことではありません。最初から完璧を求めすぎず、「今は学ぶ期間だ」「これから伸びしろしかない」と割り切ることも必要です。即戦力であることを求めすぎず、まずは基礎を固めることに集中しましょう。焦りは禁物です。
転職後に仕事ができない特徴を克服する対処法

ここまで、仕事ができないと悩む原因を見てきましたが、状況を悲観するだけでは何も変わりません。では、こうした状況を打破し、新しい職場で自分らしく働き、評価されるためにはどうすればよいのでしょうか。ここからは、今日から実践できる、信頼を勝ち取るための具体的な対処法を紹介します。
新しい職場の文化やルールに柔軟に馴染む
まずは、前の会社の常識や自分のこだわりを一旦横に置き、新しい職場のやり方を徹底的に真似る(TTP:徹底的にパクる)ことから始めてみましょう。
たとえ一見すると非効率に見える社内ルールや、独特な会議の進行方法があったとしても、そこにはその会社なりに積み上げてきた歴史や、何らかの合理的な理由があるはずです。批判や改善提案をするのは、今のやり方でしっかりと成果を出して、周囲の信頼を得てからでも決して遅くありません。
「守破離」の精神で取り組む

日本の武道や芸道には「守破離(しゅはり)」という言葉があります。まずは師匠の教えを忠実に守り(守)、次に自分なりの工夫を加えて既存の殻を破り(破)、最終的に独自の境地へ離れていく(離)というプロセスです。転職もこれと同じです。
職場に適応するための具体的ステップ
- ステップ1(守):マニュアルや先輩の指示通りに、既存の業務フローをそのまま実践する。
- ステップ2(意識改革):「前の会社では〜」という言葉を封印し、「御社(この会社)ではどうしていますか?」と聞く。
- ステップ3(観察):その会社の「暗黙の了解(空気を読むべきポイント)」や「キーマンは誰か」を観察する。
柔軟な思考で環境に適応しようとする姿勢は、今の時点でのスキル以上に、将来の伸びしろとして高く評価されるポイントになります。「前の会社」と比較するのではなく、「今の会社」のベストプラクティスを探す探検家のような気持ちで臨んでみてください。
人間関係の構築を優先して周囲の信頼を得る

仕事の成果を焦る前に、まずは職場の人間関係を良好にすることにエネルギーの8割を注ぐくらいの気持ちでいるのがおすすめです。
どんなに仕事ができても、周囲から孤立していれば協力は得られず、大きな成果は出せません。逆に、「仕事はまだ半人前だけど、一生懸命で感じが良い」と思われていれば、困った時に必ず誰かが手を差し伸べてくれます。
「返報性の原理」を活用する
「仕事ができない」と悩んでいる時でも、誰にでもできることはあります。それは「挨拶」と「レスポンス」です。
朝、誰よりも明るく挨拶をする。チャットが来たら即座に「確認しました」と反応する。こうした小さな行動の積み重ねが、「この人は真面目に取り組んでいる」という印象を作ります。
また、ランチや飲み会などのオフのコミュニケーションも、無理のない範囲で参加してみましょう。仕事以外の話をすることで、相手の人間性を知ることができ、業務上の質問もしやすくなるという心理的なハードルが下がります。「この人となら一緒に働きたい」と思ってもらえれば、ミスをした時でも厳しく責められるのではなく、フォローしてもらえる関係性が築けます。
分からないことは素直に質問して学ぶ姿勢
分からないことをそのまま放置せず、適切なタイミングで質問できるかどうかが、その後の成長スピードを大きく左右します。
「こんな初歩的なことを聞いたら評価が下がるかも」「忙しいのに迷惑かな」と怖がらずに、「すみません、ここが分からないので教えてください」と言える素直さを持ちましょう。知ったかぶりをして後で大きなトラブルになる方が、よほど評価を下げてしまいます。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥です。
「良い質問」をするためのコツ

ただし、何でもかんでも聞けばいいというわけではありません。「どうすればいいですか?」と丸投げするのではなく、自分なりの仮説を持って質問することが大切です。
| 悪い質問の例(丸投げ) | 良い質問の例(仮説あり) |
|---|---|
| 「この資料、どうやって作ればいいですか?」 | 「この資料は過去の〇〇を参考にして構成しようと思うのですが、この方向性で合っていますか?」 |
| 「次は何をすればいいですか?」 | 「優先順位として、次は〇〇に取り掛かるのが良いと思うのですが、いかがでしょうか?」 |
このように、「自分はこう思う」という意思を添えて質問することで、相手もYes/Noで答えやすくなり、かつ「ちゃんと自分で考えているな」という評価にも繋がります。学び続ける意欲を見せることで、「今はできなくても、将来的に伸びる人だ」という期待を持ってもらうことができます。
自信をなくさずポジティブな思考を持つ
失敗が続くとどうしても思考がネガティブになり、「自分はダメだ」と自己嫌悪に陥りがちですが、意識的にポジティブな思考を持つように心がけてみてください。
人間の脳は、できたことよりもできなかったことに注目しやすい性質があります。そのため、意識して「できないこと」から目を逸らし、「今日できたこと」や「新しく覚えたこと」にフォーカスする習慣をつけることが重要です。
リフレーミングで捉え方を変える
心理学に「リフレーミング」という手法があります。物事の枠組み(フレーム)を変えて捉え直すことです。
例えば、「またミスをしてしまった」と落ち込むのではなく、「このやり方では上手くいかないことが分かった(データが取れた)」と捉え直します。「仕事が遅い」ではなく、「丁寧に確認しながら進めている」と捉えます。
心の持ち方
心配事の多くは実際には起こらないと言われています。過度な不安に押しつぶされず、「最初は誰でも初心者」「失敗は成長痛」だと開き直るくらいの気持ちでいる方が、肩の力が抜けて結果的にパフォーマンスも上がります。
転職先で活躍できない場合は環境を見直す
どれだけ自分が努力し、歩み寄っても状況が改善しない場合、もしかしたらその職場環境自体があなたに合っていない可能性も否定できません。
いわゆる「ブラック企業」で、教育体制が皆無のまま放置されたり、日常的にパワハラが横行していたりする場合、個人の努力だけで解決するのは困難です。また、企業のカルチャーや価値観があなたの性格と根本的に合わない場合も、無理してそこに居続けることが正解とは限りません。
「逃げ」ではなく「戦略的撤退」

「石の上にも三年」という言葉がありますが、心身の健康を損なってまで耐え続ける必要はありません。適応障害やうつ状態になってしまっては、キャリアどころではなくなってしまいます。
自分の努力不足なのか、環境のミスマッチなのかを冷静に見極め、もし後者であれば、早めに「環境を変える(再転職する)」という選択肢も視野に入れることは決して逃げではありません。それは自分を守り、輝ける場所を探すための「戦略的撤退」です。自分が悪いのではなく、場所が悪かっただけというケースは往々にしてあります。
まとめ:転職後に仕事ができない人の特徴と改善策

転職後に「仕事ができない」と感じて悩み苦しむのは、キャリアアップを目指す多くの人が通る道であり、決してあなただけの問題ではありません。新しい環境への適応には時間がかかるものであり、最初から完璧にできる人などいないのです。
重要なのは、そこで腐って投げやりになるのではなく、前職への固執を捨て、新しい環境に柔軟に適応しようとする姿勢を持ち続けることです。
- 前の会社のやり方に固執せず、新しい文化やルールを一旦受け入れる
- 一人で抱え込まず、挨拶や雑談を通じて周囲とのコミュニケーションを大切にする
- 失敗を恐れず、仮説を持って素直に質問し、学び続ける
- どうしても辛い時は、その環境が自分に合っているかを冷静に見直す
焦らず一歩ずつ、目の前の小さな信頼を積み重ねていきましょう。トンネルには必ず出口があります。あなたの新しいキャリアが、苦難を乗り越えて素晴らしいものになるよう心から応援しています!

